僕らの現実非日常?

誰かこのロマンティックを止めてくれ

遠ざかる感動、近づく台風

お久しぶりです。すっかり寒くなってきましたね。風邪を引かないように気を付けてください。

さて、先月末にりょうがの結婚式がありました。今日はその話で。

 

来たる結婚式の当日はまさかの台風直撃の日。不幸中の幸い、出発の時は晴天だった。俺の隣で具合が悪そうな顔をしている池田は、後日体調不良で仕事を2日休むことになる。

 

体調管理がなってないな、という俺も二日酔いとやらで若干体調が悪い。どちらかといえば俺のがたちが悪いが、そこは気にしないでほしい。

 

どうも顔色が優れない2人が受付をやる中、楽しそうに登場する、毎日が主役の友一。今日くらいは主役をりょうがに渡してやれと言わんばかりの翔平と泰一。いざ、披露宴の始まりである。

 

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もちろん俺たち5人は同じ席。見事に主役を置き去りにした1枚を決める。そんなこんなで”本当の主役”である2人が登場する前に、友一が動き始める。

 

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友一「どうも!本日の主役、友一です!」

 

翔平「始まったよ。始まると思ってたよ」

 

耕平「神聖な場だ。少しは慎め」

 

いつも通りの会話をしていると、専属のカメラマンが神妙な顔つきで近づいてくる。

 

カメラマン「あの・・・」

 

耕平「言ってやってください。俺らが言っても無駄なんすよ」

 

カメラマン「1枚良いですか!?」

 

耕平「よくねーよ帰れ」

 

苦笑いをする翔平の隣で、相変わらず具合悪そうな池田が、渾身の笑顔で友一に親指を立て、友一もそれに返す。やっぱりそうか。大抵、こういう物を準備するのは池田だ。そして俺の左に座る泰一。格好をつけて赤ワインを飲んでいる。しかしおでこのニキビが潰れているようで、少し血が滲んでいる。まるで飲んだ赤ワインがおでこから出ているようでまったく格好がついていない。

それを小声で言うと、翔平と池田が愉快に笑う。当の本人は格好がついていると勘違いをしているみたいだ。

 

新郎新婦が入場し、司会が進行をする。俺たちを見て、りょうがが作り笑いをする。来てくれてありがとう、そういう表情だ。そんなりょうがを見て軽く頷く。大丈夫、俺はお前たちが主役だってことをしっかり理解している。そういう返しである。

 

プログラムが進み、司会がアナウンスをする。

 

司会「続いては、新郎の紹介です」

 

そう言うと、視線が俺に集まる。

 

友一「・・・頑張って!」

 

池田「しっかりと笑いを頼むぞ」

 

耕平「え?俺?聞いてないよ?」

 

翔平「・・・聞いてないの!?」

 

耕平「マジ!?マジなやつ!?ちょっと待って」

 

翔平が言うと信憑性が450倍くらい上がる。りょうがのことだ、わざと事前に知らせないことは考えられないこともない。それにこういうものは、台本を用意しない方がいいものになる。

 

大丈夫。大丈夫だ。俺はそういうことには長けている。会場を盛り上げることなんて朝飯前だ。襟を正して、名前を呼ばれる準備をする。

 

司会「りょうがさんの勤める会社の代表取締役、」

 

耕平「俺じゃねーじゃん!誰だよ!」

 

池田「誰だよって今紹介したじゃんw」

 

耕平「そういうことじゃねーよ!なんでお前ら俺見たんだよ!」

 

友一「キモいからだよ!」

 

耕平「殺すぞ」

 

その後もプログラムは順調に進行し、新婦から両親への手紙。結婚式で1番感動する場面である。新郎側の俺たちにとっては、あまり関係のあるものではあるが、ここにいる以上無関係ではない。りょうがの嫁は、俺たちと高校が同じである。特別仲が良かったわけではないが、これから会うことも増える。そう、友人の彼女から、友人に変わるはずだ。

会場の照明を落とし、新郎新婦にスポットライトが当たる。

 

 

 

 

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友一「あ、俺?」

 

耕平「違う。絶対。100%」

 

翔平「決めポーズすんなよw」

 

池田「泰一に関して言えば赤ワイン出ちゃってるって!」

 

カメラマン「1枚良いですk」

 

耕平「良くねーよ!!」

 

池田「この席順は恐らくりょうがが決めたんだろ?」

 

翔平「そうだね」

 

池田「つまり、友一をこの配置にしてスポットライトを浴びせる・・・」

 

翔平「うん・・・」

 

池田「りょうがも友一が主役だと思ってるんじゃないか?」

 

耕平「んなわけねーだろ。顔見たくないからこの配置にしたんだろ」

 

池田翔平「それだ」

 

式も終盤に差し掛かる。外を見ると、木が激しく揺れる。台風も到着したようだ。

 

司会「最後に新郎から新婦へサプライズがございます」

 

バラの束を持って新婦のもとへ。りょうがにとっても新婦にとっても一生に一度の結婚式(だと信じてる)。良いものにしたいと思った演出だろう。

どこか遠くへ行ってしまうような友人を見る。俺だけじゃない。みんな心のどこかで、この時だけはそう思ったはずだ。

 

りょうが「ここにバラが、1234・・・何本だっけ?」

 

一同「知らねーよ」

 

とんだサプライズだったぜ!改めておめでとう!