僕らの現実非日常?

誰かこのロマンティックを止めてくれ

これが友情パワーだ!!

 

 

友一「みんな!海行こうよ!」

 

いつものようにハイテンションな友一がLINEのグループに投稿する。友一、彼は提案はするものの、結局具体的な予定はいつも俺か池田が立てる。その上に、日程を調整する際にいつもギリギリまで空いている日を言わない問題児だ。

 

耕平「いいけど、たまにはお前が予定立てろよな」

 

自分で言いつつも、たまにはじゃなくて初めてだけどなと思う。そう、思い返してみる限り、友一が予定を立てたことはない。俺の提案に池田も賛同する。

 

池田「そうだ。たまには俺の苦労を知れ」

 

友一「任せておいてよ!」

 

社会人になり、休みを合わせることが難しくなった。泰一とりょうがは土日休み。俺と池田、友一は平日休みと、誰かしらが有給を取るなり、休みを使わないと合わせられない現状だ。そんな中ではあるが、すでに池田は、ばあちゃんを1人使ってしまっている。池田が有給を使うにはもう1人のばあちゃんを使わなければならないため、できるだけ池田の休みに合わせたい。俺は、いつも池田の休みに合わせるようにしている。

果たして友一はどう出るのか。

 

次の日、LINEのノートに友一が書き込む。日付がいくつかあり、行ける日に◯をつけてくれとのことだ。恐らくこの日付は、友一が空いている日なのだろう。なるほど友一にしては頭を使ったではないか。

俺や池田がこれを使わないのには理由がある。それは、友一が◯をつけないからだ。しかし、◯をつけない本人がそれを作ることにより、スムーズに予定を立てることができる。

俺が◯をつけた時にはすでに泰一とりょうがが◯をつけ終えていた。あとは社畜池田だけだが、1番厄介なのが池田である。まず休みが合わない可能性が高い。それに付け加え、シフトの確認を取れるのが遅い。これは池田が悪いわけではない。ブラック会社に勤めている池田が悪い。そう、池田が悪いのだ。

 

俺が◯をつけ終え、予定を確認すると奇跡的にも1日、◯が3つついている日がある。つまり、俺と泰一、りょうがが、友一の指定した日に◯をつけたということだ。この時点で奇跡的だ。土日休みの彼らが◯をつけた日が平日なのだ。

お盆休みなのかなんなのか詳しくはわからないが、平日に◯を付けている。だが油断は禁物。普通の人間ならば喜べるが、彼らは普通の人間ではないため、確認を取る。

 

耕平「お前ら平日に◯付けてるけど平気なの?」

 

りょうが「ったりめーよ!」

 

泰一「お盆休みだ」

 

耕平「そうか。なら良い」

 

間違いでないのなら平気だろう。あとは池田のシフトを待つのみだ。だがそこが1番の難関である。夏場、彼の職場は忙しくなる。世間一般の休みの日は、当たり前であるがシェフにとっては忙しい日なのだ。

 

りょうが「池田!任せたぞ!」

 

泰一「きっと平気だ」

 

池田「俺たちの友情はそんな弱いものじゃないだろ。奇跡なんか簡単に呼び込めるぜ」

 

池田の言いたいことを、俺は察した。―心配するな、お前らで楽しんでこい。

だが本心はわからない。池田は本気で信じているのかもしれない。確かにあり得ないことではない。ちょっとした奇跡程度、日頃社畜の池田にあったって良いじゃないか。

 

りょうが「そうだな。お前の言うとおりだ。信じてるぞ」

 

泰一「大丈夫だ」

 

シフトが出るまで、俺たちはそれしか言うことがなかった。夏の思い出。社会人になれど、青春真っ只中だ。青春っていうのは人それぞれ。恋愛だって良いし、部活だって良いし、もちろん仕事だっていい。

―8年目か。彼らと出会い、共に歩み、共に青春をしてきて8年。なんとなく思い出す。時には言い合って、時には笑い合って、喜びや悲しみを共有してきた。

 

どうせなら、みんなで行きたいよな。

 

3日ほど日が経ち、池田からLINEが来る。シフトが出たようだ。

 

池田「ほらな。休みだったぞ」

 

りょうが「まじかよナイス!!さすがだぜ!これが友情の力だな!」

 

泰一「言っただろ。平気だって」

 

そう、池田は簡単に奇跡を呼び込んだのだ。いや、池田だけの力ではないのかもしれない。りょうがや泰一、友一も願っていたに違いない。

 

これこそが、友情パワーだ。

 

りょうが「よし、どこの海行くか決めようぜ!」

 

泰一「友一、がんばってくれ」

 

耕平「いいか、最後までしっかりやれよ」

 

司会を友一に戻す。池田の主役は終わりだ。ここからは友一が主役だ!

 

友一「待ってよ!その日俺仕事だよ!!」

 

一同「なんでやねん!!」