僕らの現実非日常?

誰かこのロマンティックを止めてくれ

怖い話をしていると、霊は寄ってくるのだろうか

ラーメンを食べ終え、車へ乗る。もう日付が変わりそうな時間。天気は雨。そんなシチュエーションの中、友一が低いトーンで語り出す。

友一「この前さ、彼女と出かけたんだけど、ホテルで寝てる時、夜中に彼女が目を覚ましたんだって。それでね、入り口を見たら白いワンピースを着た女の人が立ってたんだって・・・」

りょうが「白いワンピースか」

泰一「女の人か・・・いいな」

よくわからない感想を述べる2人を放っておき話を進める。

耕平「夢じゃない?」

友一「俺もそう思ったんだよ!でもさ、初めて行った場所で、夢の中でそんなにハッキリと景色出てくる?ってなってさ」

耕平「確かに」

俺も起きてたら見えたかもしれない、そう言いながら窓の外を眺め、オチを決める友一。日付の変わる時間、そろそろ丑三つ時と言う時間にもってこいの話をする。そんなシチュエーションに合った話をするらしくない友一を見て、りょうががツッコミを入れる。

りょうが「・・・てかお前色盲だから見えねーだろ!」

友一「え、バカなの!?白って言ったじゃん!」

耕平「そこじゃない」

りょうがの見当はずれのボケに見当はずれのツッコミを入れる。そこは関係ないだろ、とツッコむべきだと言う言葉を飲み込む。言うだけ無駄だ。相変わらず規格外の会話をする2人に泰一も混ざる。

泰一「それに、見えないものを見ようとするのはきっと良くない」

耕平「今にも望遠鏡を覗き込みそうな言い方だな」

友一「あれお化けを見ようとする歌なの!?」

耕平「ちげーよアホか。曲名天体観測だしお化け見えない人の理由が物理的に見えないとでも思ってるのかよ」

りょうが「こいつ物理じゃなくて生物選択してたから物理的な話はわかんねーだろ」

友一「生物もわかってないけどね!」

りょうが友一「ははは!」

耕平「だからそうじゃないって!」

迷走だ。お化けの話から天体観測、そして生物の話になるのにかかった時間はわずか数秒。泰一が話を戻すかのように問う。

泰一「時間は何時頃なんだ?」

友一「たぶん2時頃だと思う」

りょうが「そりゃあまたぴったりと丑三つ時だな」

泰一により、再び話が戻る。2時か・・・まさか、と呟く泰一。

泰一「午前2時、望遠鏡、見えないものを見ようとする友一・・・」

耕平「望遠鏡どっから出てきた??」

りょうが「生物の授業で使っただろ!」

友一「そりゃ顕微鏡な!」

りょうが友一「ははは!」

耕平「うぜえ・・・」

またしても迷走。暗い田舎道、前後を走る車はなく、すれ違う車も少ない。りょうがはこんな中に怖い話をしたくないと思っているのだろうか。確かに、怖い話をすると呼び寄せてしまうなんてことを聞いたことがある。それが真実かどうかはわからないが。

そんなことを思っている矢先、りょうがが叫んだ。不意に叫んだのだ。

りょうが「止まれ!」

路肩に寄せ、車を止める泰一。

耕平「どうした?」

後ろを振り向くりょうが。俺は友一と顔を見合わせる。突然の叫び声に友一も真剣な表情をしている。

りょうが「お前ら、気づかなかったのか?」

 

もちろん何も気づいていない。俺や友一だけでなく、運転している泰一も不思議そうな表情をしている。

友一「何に・・・?」

りょうが「気づかなかったのか!?」

友一「だから何に!?わかんないよ!」

少し間を空け、言う。真剣な表情で、言う。

りょうが「ラーメン屋に財布忘れた」

泰一「・・・」

耕平友一「ははは!」

りょうが「やかましいわボケ!!」