僕らの現実非日常?

こーへえと仲間たちの日常

高校最後のテスト

 

高校最後のテスト。名目は期末テストではあるが、既に進学やら決まった後のテストであるため、成績などに関係はない。故に多くの生徒にとっては小テストよりも軽い、言うならば超高校級の小テストであった。もっとわかりやすく言うならば、ウインクをする時に右目を閉じるか、左目を閉じるか、はたまた両目を閉じるかくらいにどうでもいいものだ。

 ところで、ウインクなのだろうか、ウィンクなのだろうか。

 

しかしいくら成績にかかわらないとは言え、先生たちが一生懸命作った問題だ。だから最低限頑張れ!と、問題を作った先生たちが自分たちで仰る。

お前たちが言うなよ、そう心の中で言いつつ、テストの条件を見ると、どうやら40点以上取らないと春休み中に再テストを行うとのこと。

 

そうなってしまった場合は70点以上取るまで再テストが続くという日本社会を象徴するような仕様だった。仕事が終わらなければ帰れない。どうせ帰れないんだからこれもやってから帰れと。

 

 

この条件の捉え方は人それぞれだった。

 

俺はテスト勉強をガッツリやったことがないが50点以下を取ったことがない。いわば平均的な男だ。女子目線で言えばつまらない男だ。

そして俺より優れている池田や泰一、学年不動のTOP5に入る翔平にとってももはや何の脅し文句にもならないだろう。友一の鼻毛が出ているくらいどうでもいいことだ。

 

友一とりょうがを見ると、SEKAINOOWARIのような顔をしていた。今にもRPGバリに海を目指して歩き始めそうな様子だった。

 

 

りょうが「おいおいもし軽く事故って40点取れなかったらどうするんだよ!」

 

 

りょうがは言うほど勉強が出来ないわけではないが、バカだ。掛け算より先に足し算をするタイプの人間だ。それでドヤ顔で、文系のお前らに俺の理論がわかるかな!?と、言ってしまうタイプの人間だ。お前の理論は世界の理を覆す理論だ。

 

 

友一「40点なんか取ったことないよ!」

 

説明不要、バカだ。

 

 

 

 

テスト前日、電車の中で合流する。この3年間、コツコツと知識を積み上げてきたであろう、池田と泰一はテスト前日にも関わらず春休みの話をしている。

成績に関係ないからと言って手を抜く理由にはならないと言いながら翔平は英単語を頭に叩き込んでいる。

 

同様にりょうがと友一も各々テキストを広げ、最後に少しでも知識を頭に入れている様子だ。

 

と、後日池田から聞いた。

 

俺はと言うと、家で時計を見てまだ8時か、なんて思っていた。果たして何を思ってまだ、なのか。

 

電車の時間は7時30分だ。

 

 

寝坊だ!

 

急いで部屋を出てリビングへ行き、やり場のない怒りを母親へぶつける。

 

 

耕平「おい起こせよ!!」

 

 

母親「起きなさい!!」

 

 

耕平「今じゃねーよ!!起きてるだろ!」

 

死んだ魚にエサをやるくらい意味のない会話だ。 

こうなってしまっては仕方がない。1時間目のテストの英語は諦めよう。と、一瞬頭をよぎったが、急げば間に合うかもしれない。

 

そして今回は40点取ればいい。しかも英語だ。40点なんて時間で言えば10分掛からないで取れるだろう。と、自分の中で生き残るためのプランを考える。

 

急いで駅へ向かいながら、電車の時間を調べると、どうやらギリギリ間に合いそうだ。

ここでの間に合うは40点取れるか否かの時間だ。

 

学校へ着くと、テスト終了15分前。忍び足で忍者のように教室へ向かう。道中誰も俺に気づかない。これは忍びとして生きていけるのではないかと思ったが学生としては生きていけなさそうだ。

 

教室へ入り、先生に両手を合わせ深々とお辞儀をする。謝罪に見られたかお祈りに見られたかはわからない。対し、拳を挙げてげんこつのモーションで返してくる。

 

席へ着き、15分の戦いが始まる。異国の文字がびっしりと書かれた問題文を見て、心の中でファンタスティック!と異国の言葉で驚愕をする。英語のテストだから当たり前だろ。

 

満足に問題が解けないまま、終了のチャイムが鳴る。

 

心配そうな表情を向ける翔平に親指を立てる。このギリギリ感のシチュエーション的にも傍から見たらチャリで来た!さながらの絵図だろう。実際には寝癖ボーボーで真顔も真顔、池田との将棋で圧倒的な一手に手も足も出せない時に見せる顔だ。

 

そしてテスト返却の日。

 

先に返却されたりょうがが近づいてくる。

 

りょうが「この世には2種類の人間がいる」

 

そう言い、バカと天才で分けたら圧倒的なまでのバカ、世界の理を覆す理論の持ち主が英語の解答用紙を持ち近づいてきた。

 

 

 

りょうが「40点を取るやつと、39点を取るやつだ!!」

 

 

自信満々に、43点と書かれた解答用紙を見せびらかす。

 

 

翔平「ギリギリじゃん」

 

 

りょうが「お前は何点だ」

 

 

翔平「94点」

 

 

りょうが「じゃあお前も俺と同じ側の人間だな」

 

 

耕平「失礼なやつだな!!」

 

りょうがが40点以上を取り、安堵する。りょうがが平気なら俺も平気だろう。

 

 

名前を呼ばれ、悪意に満ちた先生の笑みで、俺は察した。

 

 

先生「あと少し、よろしくな」

 

 

耕平「」

 

 

半分も埋まっていない解答用紙には37点と記されていた。

 

 

りょうが「この世には2種類の人間がいる」

 

 

耕平「うっせえ!!」

 

凹んでいても仕方がない。70点、次は確実に取ってやる。

 

 

 

 

帰りの電車で合流する。特に何もなかった池田と泰一は相変わらず春休みの話をしている。

見直しは重要だと言いながら翔平はテストの間違いを見直しをしている。

 

同様に、テキストを広げているのは俺とりょうがと友一だ。

 

 

りょうが「この世には2種類の人間がいる」

 

みんなに聞こえるようにりょうがが喋りだす。

 

 

りょうが「全教科40点以上取れるやつと、そうでないやつだ」