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僕らの現実非日常?

こーへえと仲間たちの日常

2週間の同棲生活

 

子供のように雪が降る様子を眺めていた18歳の夜。俺はその時山形にいた。このロマンチックなシチュエーションに俺と共に一緒に山形へ来ていたやつがいる。それは当時付き合っていた、

 

 

友一「耕平ちょっと来て!!」

 

 

ゴホン、当時付き合っていた彼女などいるはずもなく、冬休みを利用して似合わない茶髪にしていた友一である。

 

俺と友一は高校3年生の冬休みを利用して山形へ車の免許を合宿で取りに来ていた。高校の冬休みと言っても、大して長い期間休めるわけでもない。そのため、学校を2日間休み、冬休み前から山形へ行くことになった。

 

冬休みに入る前日とその前日、俺たちの学校は球技大会があった。種目はサッカーとバスケ。1年生の時から、サッカー部で唯一1年生でベンチ入りを果たし、そのまま球拾いも雑用もさほど経験しないで3年になった俺は、クラスメイトから熱い期待を寄せられていた。

今年は余裕で優勝だな!なんて盛り上がっているところ、俺免許取り行くから参加できないよ、と言った時の視線の冷たさは尋常ではなかった。

例えるなら、前を行く女性にあの、堀北真希さんですよね?と話しかけて、振り返ったらハリセンボンの春菜だった時の春菜を眺めるような目だ。もっと言うなら振り返ったら角野卓造だった時の角野卓造を眺めるような目だ。はるかですらねーのかよ。

先生に許可を取りに行った際にも、あらそう・・・。ふーん。と、良いのかダメなのかはっきりしない返事を獲得することができた。

そして俺は誰にも見送られることない完全アウェイの状態でアウェイに乗り込んだ。俺のホームは何処へ。

対する友一は、お前バスケもサッカーもいらねえから行っていいぞ!と笑顔で見送られた模様。

 

だが山形は良いところだ。キッチンから大声を出して俺を呼ぶ友一の方へ向かいながらしみじみと思う。自動車学校の先生はみんな親切だし、生徒たちも東京から人が来た!!と一躍人気者だ。ただ、親切だが習ったことのない言葉を連呼されなんて言ってるかわからない。訛のレベルではない異国語だ。そして神奈川は東京ではない。

 

 

耕平「どうした?」

 

 

友一「ちょっと味見してみてよ!」

 

俺たちは1番安い自炊プランでの合宿だったため、適当に洗濯や料理を分担してやっていた。そして今日は友一が料理を作る最初の日だった。

 

 

耕平「うどんか」

 

 

なぜかとんこつラーメンのような色をしたスープを一口すする。

 

ほのかに鶏肉や野菜の風味が来た後、何も来ない。いずれ何か味が訪れるのかと思っていたが、何も来ない。

 

 

耕平「濃いとか薄いとか以前に、味ないんだけど」

 

 友一も同様に一口すすり、

 

 

友一「んー、何か決定的に足りない気がする・・・」

 

と言い、首をかしげる

いやいやいや、めんつゆだろ。買い物の時これさえ買っておけばそばとうどんの2種類食べれるって言ったのどこのどいつだよ。

米買って中途半端に余らせると面倒なことになるから米食べたくなったら外食にしよう。だがら自炊は麺類多めに取り入れようって柄にもなく良いこと言ったのどこのどいつだよ。

早速前の日2人とも米が食べたくなって外食したのにラーメン頼んだバカどこのどいつだよ。

 

耕平「めんつゆだろ」

別に遊びたいわけではない。さっさと答えを教える。

 

友一「ああ、なるほど!」

 

冷蔵庫からめんつゆを取り出すのを見て、俺はリビングへ戻る。テレビを眺めているとまた呼ばれ、味見を頼まれる。

 

 

耕平「お前的にはどうだったんだよ」

 

 

友一「俺的には少し濃いかなって思った!でも耕平濃い方のが好きでしょ?」

 

地味な優しさが見られ、どれ、と味見をする。

 

耕平「濃いですね!!」

友一の言うとおり、俺は濃い味が好きで薄味が好きな池田といつも対立する。その俺が濃いというのだ。最初に入ってた水は出張か?それともハワイにでも行ったのか?

 

 

耕平「お前まさかとは思うが水入れてない、なんてことないよな?」

 

 

友一「おかしなこと言うね。入れてないに決まってるじゃん」

 

おいおい本当に水出張かよ。しかもおかしなことってなんだよ。お前さっき濃いって言ってたじゃねーかよ。

 

 

耕平「いいか、ざるそばがあるとしよう」

 

 

友一「うん」

 

 

耕平「お前はめんつゆを水で割って汁を作るだろ?」

 

 

友一「うん」

 

 

耕平「それと同じなんだよ」

 

なんでこんな説明をしなければならない。プールでは海パン使うけど海では使わないみたいなものだぞ。いや、海で全裸の時あったからこの例えは使えない。

 

あまりの不安さにここからは交代で俺がやった。と言ってもめんつゆを水で割るだけの作業だ。

 

そして言うまでもなく、山形での2週間、料理担当は俺になった。

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