僕らの現実非日常?

誰かこのロマンティックを止めてくれ

俺の知っている勇者はこんなんじゃない

 

最近ではスマホの普及から様々なアプリ(ゲーム等)が増えている。ネット上でも様々な攻略サイトがあり、ガキの頃にあった攻略本なんて言うものはもはや死語になりつつある。のではないだろうか。俺たちもそれなりにゲームを楽しんでいる。

そんな中、今回挑んだのは新クエスト。故にまだ攻略情報が出ていないクエストだ。そのため情報はまだなく、どんなクエストなのか全くわからない。

頭の中でイメージするならば4人の勇者が囚われた姫を助けに未知のダンジョンに突入する。こんなところだろうか。

ゲーム自体は全然こんな内容じゃないが、今回は俺たちが勇者になった体で書いていく。

 

りょうが「よっしゃ行くぞ!」

先陣を切る勇者りょうが。それに続く他3人の勇者。このダンジョンは水属性のダンジョンだ。俺たちはそれに有利な木属性の装備を固めている。

ダンジョンへ入り戦闘ゲームではお馴染みのザコ敵の登場だ。

 

耕平「ねえこいつらみんな火属性じゃん」

そう、ザコ敵みんな火属性であった。俺たちの木属性の装備は水属性には2倍のダメージを与え、敵の攻撃は半減できる。そして火属性に対してはその逆だ。つまり攻撃力が半減して、受けるダメージが2倍になる。

 

 

泰一「もしかして入るダンジョン間違えた?」

もしそうならば勇者として失格だ。姫を助けに姫ー!と叫んで入ったダンジョンに姫がいないなんて、サラリーマンが帰る家を間違える並の失態だ。念のため確認をする。

 

 

友一「あってるよ!ボスが水属性であとはみんな火属性ってことじゃない!?」

いかんせん、初めて入るダンジョンだ。ありえないことなんてないがこれは想定外だった。質の悪いダンジョンだってあるだろう。

 

 

りょうが「これやばくね!?ボスまでたどり着けなくね!?」

大げさに聞こえるが、それくらい有利属性不利属性というのは重要なのだ。 

 

泰一「作戦を立て直そう。ボスまでたどり着けさえすればこっちのものだ」

現状、圧倒的不利な状況であるが、戦い方を変えればこの状況を突破できるかもしれない。それこそが攻略だ。そしてその属性のダンジョンのボスは必ず同じ属性である。故に水属性のダンジョンのため、少なくてもボスは確実に水属性だ。

 

 

友一「1つ、いい方法を考えた」

バカな勇者が何か閃いた。期待は禁物だ。

 

 

耕平「なんだ。言ってみろ」

 

 

友一「運営に言おうよ!」

はて、こいつは何を言っているのだろうか。

 

 

友一「運営に言ってザコ敵も水属性にしてもらおうよ!」

 

 

耕平「それ仮にしてもらっても反映されるのいつになるんだよ」

どうやらダンジョンの製作者にダンジョンを作り直せと言いたいようだ。聞いたことあるだろうか・・・。勇者が姫を助けにダンジョンへ入り、ちょっと簡単にしてくれよなんてセリフ。少なくとも俺はない。

 

 

泰一「ここは俺に任せてみんなは下がっていてくれ。遠距離で戦おう」

魔法使いの泰一の名案。彼はリアルでも童貞という最強の称号を持っている。つまりリアルでも最も魔法使いに近い男だ。

 

 

りょうが「よし、任せた!俺たちは一旦下がるぞ!泰一の援護をしよう」

他3人は剣で戦うため遠距離戦はできない。泰一は親指を立てて杖を振り上げる。泰一の戦闘力は俺ら4人の中でトップクラスの・・・弱さを誇っている。故に。

 

 

泰一「死んだ」

 

 

死んだのだ。

 

耕平「そりゃそうだ。相手の攻撃も遠距離だもん」

 

 

友一「蘇生しないと!蘇生の魔法使えるの泰一だけだからこの先泰一いないとやばいよ!俺ら死んでも生き返れないよ!」

 

 

耕平「そうだよ!?蘇生できるの泰一だけだよ!?」

 

 

りょうが「誰か!この中に医者はいないか!?」

 

 

耕平「それで言うと泰一が医者なんだって!唯一の医者が死んだんだって!」

そもそもダンジョンには俺ら4人しかいない。聞いたことあるだろうか・・・。唯一の魔法使いが最初のザコ敵にやられるなんて物語。そしてダンジョンで医者を探す勇者。少なくとも俺はない。

 

 

りょうが「おい泰一てめえ何やってんだよ!クソこうなったら突っ込むぞ」

この中で1番戦闘力が高いのはりょうがだ。そもそも回復や蘇生をする魔法使いが先陣を切るってところから間違っているのだ。つまり最初から間違っているのだ。

 

 

りょうが「よし、どんなもんだ」

そう言い、彼は息を引き取った。

 

 

耕平「ザコ敵たくさんいるけど1匹だけHP半分くらい減らせたね」

 

 

友一「くそ・・・!りょうが!」

1番の戦闘力を失って絶望的な状況になった。倒れている泰一を見るとどうやら天使が迎えに来たようだ。

 

 

耕平「どうする」

 

 

友一「・・・諦めないよ」

 

 

耕平「だってもう回復もできないしりょうがもいないし俺とお前じゃたかが知れてるよ」

 俺はもうこのダンジョンをクリアするプランが浮かばない。

 

友一「それでも!諦めちゃいけないんだ!」

この絶望的な状況でも友一は諦めていなかった。ギラギラと目を輝かせる。これが俺の知っている勇者の目だ。たとえどんなに敵が強くても、勇者は戦う。姫のために、勇者は戦う。まさに、これぞまさに俺の知っている勇者だ。

 

 

 

耕平「よしわかった、行くぞ」

 

 

 

友一「運営に言おう!!」

 

諦めちゃいけないってそっちですか。