僕らの現実非日常?

こーへえと仲間たちの日常

この場合、ダメな奴は放っておく

人それぞれ得意なこと、苦手なことがあると思う。苦手な人に得意な人が指導するというやり方もあれば、得意な人に任せるってやり方もある。状況に応じて変えるってこともあるのかな。

 

俺たちはネトゲをしていた。8人VS8人の陣取りゲーム。その時はまだβテスト期間だったので、課金して強くなるなどの概念はなく、全プレイヤー同じ強さのキャラクターの操作だった。簡単なルールを説明すると陣地がそれぞれのチームに3つずつあり、先に相手の陣地を占領したほうが勝ちというルールだ。占領方法は、陣地に設置してある結晶を破壊すると占領になる。もちろん単純に相手の陣地の結晶を破壊することだけを考えてはダメだ。自分の陣地に攻め込んでくる相手を倒し結晶を守る、2つの結晶は放置して1つの結晶をみんなで守るなど戦術はたくさんある。

対人であるためプレイヤー同士の戦闘もある。倒されると自陣の3つの中からランダムで復活する。しかし復活までに10秒時間がかかってしまう。倒されるとロスタイムになる仕様だ。

ネトゲであるため16人みんなプレイヤーは人間だ。そして強さは一律のため、如何に結束し、戦術のマニュアルがない中、チームワークを感じ取れるかが勝負の肝になっている。そんな状況で、俺たち4人はスカイプを繋げて通話しながらプレイをしていた。

 

りょうが「いいか、近距離の耕平と友一は結晶の破壊をする。遠距離の泰一と俺は二人の補助だ!!」

8人の内、4人はこの環境下ではチート級の通話というツールを使っていた。開始前に半分の結束は約束されているはずだった。


友一「晩御飯なんだった?」

早速取り乱すやつがいる。りょうがの説明に対し相槌を入れず、晩飯の話だ。こういうやつが一人でもいると連携にヒビが入るのだ。ちなみに言うと友一は俺らの中で1番下手くそだ。せめて開始時だけでも気合を入れてほしい。ゲームは好きだが苦手だ。と、自分で言うほどのやつだ。

 

耕平「刺身!久しぶりで美味しかったよ」

どうやら俺が言っても説得力がないようだな・・・。

 

りょうが「おい聞いてるのか!?」


泰一「もちろん」

 

りょうが「4人で動くぞ。先陣切るのは耕平」

 

耕平「了解」
いくら遊びとは言え、負けるのは嫌いだ。カウントダウンがゼロになり、動き始める。

 

耕平「よし、しっかりついてこいよ!」

目的の結晶は1番奥にあるところだ。最初から4人固まっていれば仮に敵とすれ違ってもタコ殴りにもできるし、スルーすることもできる。


耕平「みんなついてきてる?奥から行くよ」

 念のために先に目的地を告げる。

 

泰一「友一がいない」

さて、なぜだろうか。スタート地点はみんな同じだから迷うはずがない。


泰一「りょうがもいない」

さて、なぜだろうか!

耕平が先陣切れと言った本人はこの1本道でどこへ行ってしまったのか。とは言え待つわけにも行かず、敵とすれ違いながら目的地へ進む。そんな中、アナウンスが流れる。


敵チームに筋肉(DT)さん倒されました。

(筋肉(DT)ってのは友一のキャラの名前)

 

耕平「しかも友一死んでるし!早くね!?」

 彼はどこで何をやったらそんな早く死ぬのか。世界新記録に近いスピードで倒された。


りょうが「すまんトイレ行ってた。作戦変更だ!耕平こっちきて援護してくれ」

おいおい試合開始と同時にトイレ行くやつがどこにいるんだよ。百歩譲ってもトイレ行くこと言えよ。

 

泰一「手は、洗ったか?」


耕平「いらん心配するな。行くぞ」

 

泰一「おう」

 
りょうが「まずい!俺ひとりなのに相手5人いる!」

もうなんで通話してるのに全く連携取れてないんだよ。むしろ相手のが連携取れてるじゃねーかよ。


泰一「あと少しでつく」
そんな時、アナウンスが流れる。

 

敵チームに筋肉(DT)さんが倒されました。


りょうが「何回やられんだぼけぇ!!」


友一「だって敵強いんだもん!」

 

りょうが「1人倒した!あと4人」

りょうがのPS(プレイヤースキル)は悔しいがかなり高い。
俺「よし援護する」


りょうが「まずい、HPが残り少ない」


泰一「こーちゃん敵止めてて。りょうがこっちきて回復する」

泰一はネトゲをやる際、大体回復ができるキャラを選ぶ。今回も同様に回復キャラを選んでいる。回復することにより、倒されて復活するまでの10秒間を無駄にしないで済む。それにりょうがは少し回復すれば長持ちするPSを持っている。


耕平「了解」

 

友一「俺も向うよ!!」

ここに来てようやく連携が取れてきた。現状、俺たち4人は守備に回っているが上手い感じに他のチームメイトは攻め込めているようだ。


耕平「頼む。途中敵の地雷あったから気をつけてこいよ」

 

友一「わかった!あんな丸見えの地雷踏むわけないけどねww」

そう、このゲームで唯一ダメ出しをするとすれば地雷が丸見えで全く意味をなしていない点だ。どう考えても引っかかる要素のないネタアイテムだ。

 

アナウンスが流れる。

敵チームに筋肉(DT)さんが倒されました。


耕平「なんで!?敵いないのになんで!?」


友一「地雷踏んじゃった!!」

踏むわけないんじゃないの!?ダメだ、もう、こいつはダメだ。3人で何とかしよう。敵チームはりょうがと泰一を追おうとする。それを阻止する俺。蚊を叩くかのように、4人全員で標的を俺に変える。ザコは手っ取り早く処理すると言った感じだろうか。

友一はさっき倒されたばかりだし、すぐには来れない。てかそもそももう期待するだけ無駄だ。そんなに長くは持ちそうにない旨を伝える。

 

耕平「おいお前らまだか!」


りょうが「あ、俺晩御飯カレーだったよ」


耕平「今!?」

 

泰一「俺もカレーだった」


耕平「だから今!?サンドバックにされてる!!」

 

泰一「辛口?」


りょうが「おう!」


耕平「おう!じゃねーよ!早くしろ」

せっかく通話しながらやっているというのになんだこの失態は。敵チームが全体的に俺らの陣地に攻め込んできている。もうこれは圧倒的に不利な状況だ。

 

りょうが「よし!準備完了だ!耕平反撃するぞ!」

 

耕平「おい、俺もうやられそうだぞ」
だめだ。流石に4人も相手にできるわけがなくHPがどんどん減っていく。

残り20・・・15・・・・10・・・5・・・・。

 

アナウンスが流れる。

敵チームに筋肉(DT)さんが倒されました。

 

耕平泰一りょうが「いい加減にしろ!!!」