僕らの現実非日常?

こーへえと仲間たちの日常

想像、妄想、いや違う

想像力がなければ、怖いものはない。シャーロック・ホームズの著者であるコナン・ドイルの名言の1つである。同様に想像力がなければ楽しさなり嬉しさっていうのも半減してしまうのかな。逆に言えば、想像力を持つことにより、普段やることでも、いつもより楽しく感じるかもしれない。

 

天候、気温にも恵まれ、最高のドライブ日和になった。街中に入ると信号が増え、少し渋滞している様子。それでも、この渋滞を抜け、先のトンネルを過ぎれば綺麗な海が見えて来るはずだ。

 

りょうが「それでは聴いてください!湘南乃風で、純恋歌

そう言い、渋滞の中車で流れていた純恋歌に合わせ、歌い出す。

 

りょうが「目を閉じれば億千の星~1番光るお前がいる~」

 窓は全開だがそんなことはお構いなしに歌い始める。

 

りょうが「初めて、一途になれたよ~うお、夜空へ響け愛の歌~」

はいっ、と言い、友一にバトンを渡す。声を真似し、

 

友一「大親友、と彼女と連れ、美味しいパスタ作ったお前!」

 

耕平「いや美味しいパスタ作ったの誰だよ」

 

友一「家庭的な女がタイプの俺一目惚れー!」

 

耕平「初めて一途になれたんじゃねーのかよ。彼女の目の前でパスタ作ったやつに一目惚れしてるじゃねーか」

あまりにも有名すぎる歌で知らない人の方が少ないと思うが、正しくは大親友の彼女の連れ

 

池田「大親友と彼女出てきてるから連れの親近感皆無だな。なんでその場にいるんだ連れよ・・・」 

友一のボケがツボったのか俺のツッコミがツボったのか、はたまた池田の細かい分析がツボったのかわからないが、りょうがは爆笑している。

 

りょうが「目を閉じたら星見えねーだろwww」

どうやらどれにも当てはまってないようだ。俺ら3人の件思いっきりスルーしてるじゃねーかよ。

 

 渋滞を抜け、トンネルへ入る。そしてトンネルを抜けると、視界には海が広がる。太陽に照らされ、キラキラと輝く海だ。そのタイミングで流れてきた曲はゆずの夏色。完璧なタイミングだ。

 

りょうが「駐車場の猫はあくびをしながら〜今日も1日を過ごしてゆく〜」

先ほどとは打って変わり、車もスムーズに動き、風が気持ちいい。そしてアップテンポな曲にテンションも上がる。時期的にもぴったりな曲で、自転車で坂を下る映像が頭の中に流れる。

 

りょうが「海も空も雲も〜僕らでさえも〜染めてゆくから〜」

はいっ、と再び友一にバトンを渡す。サビをもらった友一は歌い出す。

 

友一「この長い長い下り坂をー!君の自転車も後ろに乗せてー!」

 

耕平「サーカスかよ」

 

友一「ブレーキいっぱい握りしめて~ゆっくりーゆっくりー下ってくー!」

 

耕平「だからサーカスかよ」

そんな荒業を軽快なリズムで歌われても困る。俺はせいぜい2人乗りしかやったことがないからわからないが、さらにそこに自転車が加わるなんてとても難しいことだと思う。

池田「ゆっくりの方がバランスとりにくいしな。そしてゆっくりを2回言うことにより難易度の高さを強調しているように聞こえる。ゆっくり、そう、ゆっくりと・・・」

 

再びりょうがは爆笑している。正直悔しいが、俺も笑いながらツッコミを入れてしまった。君と君の自転車を後ろに乗せて自転車を漕いでいる姿を想像してしまったのだ。果たして自転車はヒモでくくりつけてるのか、あるいは君が持っているのか。

 

りょうが「猫の野郎あくびで1日過ごすなんてとんでもねーなwww」

なんで猫のあくびだけでそんな笑えるんだよ。隣で友一がもっと面白いこと言ってるじゃん。こいつの脳内にはどんな映像が浮かんでいるのか。

 

池田「日本語って難しいな。一文字違うだけでこんなに意味合いが変わってくる」

池田の言う通り、日本語を学ぶ外国人の多くは、日本語って難しい、そう思っているだろう。昔テレビで日本語についてインタビューを受けていた外国人が、”行って来ます”って行くの?来るの?と疑問を抱いていた。この疑問にすごく納得したのを思い出した。

そんなこんなで1時間は車を走らせたが、友一のボケは出てこなかった。

 

池田「おい、友一。最初の2曲だけか?」

俺と同じことを思っていた池田が質問をする。

 

りょうが「そうだよ。お前にしては面白かったぞ」

 

耕平「笑ってたところ違うけどな」

1番妄想していたのはりょうがだが、1番想像力を働かせていたであろう人は友一だ。俺はもちろん、りょうがや池田もそこそこ楽しんでいるように見えたが、友一は別格で楽しんでいるように見えた。それにボケも冴えていた。冒頭であげたように想像力を持って楽しく過ごす、故に楽しんでいる人は想像力を働かせているに違いない。そんな友一は真面目な顔で言う。

 

友一「・・・なんのこと?」

どうやら全く想像力を働かさずに真面目に真剣に歌っていただけのようだった。

それでいて、1番楽しそうにしていた友一を見ると、なにか怖いものを感じる。

つまるところ、俺が1番想像力があるんだな。