僕らの現実非日常?

こーへえと仲間たちの日常

神様からの贈り物

 

前日、りょうがの家へ泊まりに行き、制服を忘れないように細心の注意を払った結果、ローファーを忘れてしまいサンダルで登校。裸足で上履きを履くのがここまで気持ちが悪いとは思わなかった。
しかし下校の時には暑い夏には快適である。不恰好でだらしないが、高校生なんて大体そんなものだろう。シャツを出してうちわで扇ぐ友一、そもそもいつ着替えたのか私服のりょうが。
こいつらに比べればまだマシだ。
電車まで時間がまだあったため、高校の近くにある駄菓子屋へ寄る。昨日買ったガリガリ君が当たりだったと、律儀に買ったお店でそれを変える友一。

耕平「で、お前何で私服なん?」
素直な疑問をぶつける。

りょうが「そのままお前んち行くからさ」

耕平「そうか」
もはや慣れてしまった日常。今日遊ぼうよ!いいよ!なんて会話したのはもう1年近く前ではないだろうか。

電車へ乗り、最寄の駅で降りる。そして地獄の坂を登る。俺は夏場の下校のたびに、こんな山奥に家を建てた両親に怒りを抱く。そして冬には雪が積もる時があり、その時も怒りを抱く。

友一「さて、ここからが今日1番の頑張りどころだね!」
何も言わずにうちへ来ようとする友一であるが、これも日常である。

りょうが「ったくよ、毎回思うんだけどお前の両親アホだろ。こんな山奥に家建てやがって俺を殺す気かってんだ!」

友一「ほんとだよね!だからこんな子が生まれてくるんだよ!」

耕平「おめえら親の悪口は許すが俺の悪口は許さねえぞ!」

言葉遊びもほどほどに、坂を登り始める。半分くらい登ったところに自販機がある。

友一「ちょっと!休憩しよう!」

りょうが「そうだな、さすがに、休憩だ」
そう言い、カバンを下ろし適当に座る。自販機を眺めると、汗をかいている缶のコーラのデザインの写真が貼ってある。この炎天下の中、冷えた炭酸。最高のシチュエーションではないか。
視線が俺に集まる。しかし無言。これだけ濃く付き合いがあると、目線だけで会話ができてしまう。俺は黙って500円玉をりょうがに渡す。親指を立てて、自販機に投入する。
コーラのボタンを押し、それを俺に渡す。否。

りょうが「当たったぞ!!」

耕平「なんだと!?」
そう。当たったのだ。自販機に当たりの機能が付いているのはわかるが、俺の中で当たりがあると言うことは都市伝説だった。

友一「早く押さないと!早く押さないと無効になるって聞いたことある!」
それを聞き、即座に同じコーラを押す。否。

りょうが「ちょ、また当たったwww何これww」

耕平「お前持ってんな!すげえ!」

友一「早く!コーラ押して!」
催促され再びコーラを押す。

この時ほどついていることは今までなかった。毎日毎日バカどもの相手をしていた俺を神様が見ていて、それのご褒美と言わんばかりに当たりをくれた。

りょうが「また当たりやがった!壊れてんのか!?」
もはや笑いが止まらない。本当に壊れているかのように当たるではないか!神様!ありがとう。例え120円のコーラが1本当たるだけでも、俺は幸せだ。しかし神様からの贈り物はそれだけに留まらなかった。

友一「よーし!今日はコーラ祭りだ!」
そう言い再びコーラを押す。

りょうが「1本余っちまったな!耕平のかーちゃんに差し入れだな!」

耕平「そうだな!親孝行するか!」

友一「さすがにもう当たらなかったね」
結果的には3回連続で当たったのだ。聞いたことあるだろうか。少なくとも、俺はない。この時初めて神様の存在を信じた。それと同時に、俺の苦労を見ていてくれたことに感謝をした。

 

ひとしきり興奮した後、りょうがからお釣りを受け取る。

俺はその20円を握りしめ、空を見上げる。

 

神様よ、会う機会あったら覚えとけよ。