僕らの現実非日常?

こーへえと仲間たちの日常

遊園地の醍醐味

絶叫こそが遊園地の醍醐味。by俺

 

俺はそう思っている。絶叫が好きだから。

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入園後、すぐにFUJIYAMAへ並ぶ。富士急と言えばFUJIYAMA。これに乗らなければ話にならない。そう、行きの車の中で最初に乗るアトラクションを決めていた。しかし泰一を見ると、浮かない顔をしている。と、言うのも彼は絶叫も戦慄迷宮のようなお化け屋敷と言われるものも大の苦手なのである。

行く前、話し合いの段階の時から俺は苦手だ、そう言っていた。しかし付き合いは良いやつで、決まってから文句を言うことはなかった。絶叫が聞こえ、青い顔でジェットコースターを眺める泰一に友一とりょうががが言う。

 

友一「大丈夫!何が怖いかはわからないけど、落ちても痛くないよ!」

 

りょうが「友一の言う通りだ。痛みなんか感じない。あっという間だ・・・」

 

おいおいお前らそれ何の助言にもなってないぞ。大体絶叫苦手な人っていうのはそういうことを想像しちゃうから苦手なんだろうが。と、言いつつも俺は大好きなので苦手な人の気持ちがわからない。心配そうな翔平の表情を見て、泰一が少し笑う。

 

泰一「大丈夫だ」

 

心配するな。お前は楽しめと言いたいのか。せっかく富士急に来たのだからな。人の心配はしなくていい。思いっきり楽しめ。泰一の優しさが垣間見れた。

 

泰一「もしも俺に何かあったら机の引き出しの2段目を開けてくれ」

 

死ぬ気満々じゃねーかよ。なんで遊園地遊びに来るのに遺書書いてくるんだよ。なんかあったら逆に疑われるだろ。

 

翔平「無理に乗る必要はないんだぞ」

 

ただ一人、泰一の味方をする翔平。小学生の頃から翔平と泰一は仲が良かった。友一やりょうがよりも付き合いは長い。付き合いが長いからこそ、楽しさも辛さも一緒に共有してきている。

 

翔平「乗れそうなやつだけ乗ればいい」

 

友一やりょうがと違い、しっかりと人の気持ちを考えている。自分が楽しめそうなやつだけ乗ればいい。今日は折角みんなで遊んでるんだ。会話を楽しむ、それだけでもいいんじゃないか。翔平はきっとそう思っている。

 

友人と会話を楽しむ、これこそが遊園地の醍醐味。 by翔平

 

翔平「なぁ耕平」

 

ニコッっと微笑み、俺に同意を求める。しかし俺が返答する前に会話が遮られる。

 

りょうが「お前じゃんけんで負けて隣知らない人だからってそれはないだろ」

 

友一「そうだそうだ!5人で来て1人余ったからってそれはないぞ!!」

 

翔平「くそバレてるか」

 

優しくねーな。ちっとも優しくねーな!よくよく考えれば俺も小学生の時からの付き合いだけど、辛さなんてちっとも共有してなかったな!泰一を泣かしたと、先生に怒られて廊下に立たされてる俺見てニヤニヤしてたしな!泣かしたの翔平なのにな!悪魔め!

 

泰一「いや、俺は乗るぞ」

 

翔平「だから無理すんなって!!」

 

りょうが「うるせえ乗るっつってんだろ!」

 

同じ会話が繰り返されどっちが悪役かわからなくなってきた頃、泰一がただ、と続ける。

 

泰一「もう少し、準備してからでもいいか」

 

やはり苦手な人は苦手だろう。心の準備が必要なみたいだ。

 

りょうが「そうだな。まだ後ろの方だから損しないしな」

 

そう言い、一旦列から外れてベンチへ座る。やはり池田がいなくて俺がいる日は天気が良いな。そう思いながら空を見上げる。りょうがと翔平はソフトクリームを食べているようだ。

 

りょうが「お前の一口くれよ」

 

翔平「いいよ。交換ね」

 

ったくカップルかよ。いやカップルでもしねーよお前ら2人とも味同じじゃねーかよ。

友一は泰一を不器用なりに励ましているようだ。頭の中は空っぽだが、友一はまっすぐで優しやつだ。

そんな友一と泰一元に、3人組の女の子が話しかけにきた。

 

女の子「あの、すいません。写真、撮ってもらっていいですか?」

 

一瞬固まる2人に続ける。

 

女の子「ごめんなさい。無理ならいいんです!」

 

泰一「あ、いえ、良いですよ」

 

女の子3人組は律儀に頭を下げ、泰一にカメラを渡す。カメラを受け取った泰一はそのカメラを眺めている。友一と泰一が何やら小さい声で話している。少し離れて、この人達と俺は他人ですよオーラを出している俺からは聞こえない声で話している。ソフトクリームを食べている2人も視線だけ友一と泰一に向けているようだ。

 

女の子3人が並び終わる。

 

女の子「お願いしまーす!」

 

女の子の準備ができたとの声に、立ち上がる泰一。その目は今日で1番キラキラしていた。思い返してみれば行きの車の中でもいつも以上に口数が少なく、好きな曲が流れてもぼーっと窓から外を眺めているだけだった。それはそうだ。正直、泰一にとってはあまりいい日ではなかっただろう。自分が好きでもない絶叫しかない富士急へ付き合うのだから。

女の子と会話することが俺らの中で1番少ない泰一。そんな泰一に声を掛けた女の子たち。普段ではありえないことだが、遊園地ではあり得ることだ。

 

女の子と話ができる、これこそが遊園地の醍醐味。by泰一

 

泰一「行ってくる」

 

友一「行ってらっしゃい」

 

そう言い、カメラを友一に渡す。

 

泰一は小走りで、女の子3人組の横へ行き、ピースをした。

 

耕平りょうが翔平「そうじゃねーだろ!!」

 

 

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