僕らの現実非日常?

こーへえと仲間たちの日常

俺たちのお母さんへの恩返し、それは

 

学校へ到着すると、りょうがと池田が俺の席で話をしている。俺に気づくと、手を振り挨拶をする。

 

池田「おはよう」

 

耕平「おう」

 

何を話していたのだろうか、俺が質問をする前に会話の内容を伝えてくる。

 

りょうが「今日お好み焼きやるんだけど来る?」

 

お好み焼きか、いいな。お好み焼きと聞き、道頓堀が頭に思い浮かぶ。場所はもうそこしかない。となると人はだれが来るのだろうか。メンバーは重要である。例えば、俺の行きたいレベルが今80だとする。しかし友一が来るとなると、そのレベルが2まで下がってしまう。そのためにまずはメンバーを聞く。

 

耕平「いいよ。誰来るの?」

 

りょうが「友一」

 

2まで下がってしまった。こいつらは正気なのか。友一を連れて外食、ましてやお好み焼きなんて檻に入っていないライオンがいる動物園ほど危険だ。違う、この場合動物園に野生のライオンを連れ込もうとしている。営業妨害だ。

 

耕平「なぁ、外食するのに友一はまずいだろ。うるさいから迷惑だ」

 

うるさいだけならまだ良い。元気な高校生で済む。それに加え、あいつは金を持っていない。出すとなると俺か池田になる。百害あって一利なしの例えに使えそうな事態だ。池田、お前はそれでも良いのか?

 

池田「安心しろ。外食ではない」

 

あれ、道頓堀行かないの?最初から自分の考えが違っていたことに気付く。しかし俺とりょうがで分けるなら池田は俺側の人間。そんな池田が友一のような大魔王を誘ってお好み焼きに行くことに否定的な態度を取っていないのは不思議な話だ。

 

そんな思考をしていると、りょうがに口寄せされたのか、大魔王が召喚される。

 

友一「おはよう!今日も日本は平和だね!」

 

お前がいるだけで大災害だっての。挨拶をしながら池田と肩を組む。仲良しだな。笑いながら池田も肩に手を回す。なんだか気持ちが悪い光景だ。

 

りょうが「で、どーすんの」

 

中々答えない俺を、りょうがが急かす。まぁ外食じゃないなら平気だろう。檻に入れて見ている分には面白い。それに池田がいる。割りと安心できる。

 

耕平「わかった。いいよ」

 

りょうが「よし、あとは適当に泰一あたり誘うか」

 

池田「そうだな」

 

教室の隅っこで早速寝ている泰一を起こしに友一が向かう。その間にりょうがが話をまとめている。

 

りょうが「んじゃ俺、耕平、池田、友一が確定であとは泰一を誘う」

 

池田「時間はどうする?」

 

りょうが「学校終わったらそのまま行けばいいべ」

 

池田「そうだな」

 

耕平「てかどこでやるの?」

 

そう言えば会場を聞いていなかったことを思い出す。りょうがが親指を立てて答える。

 

りょうが「泰一んち!」

 

耕平「は?」

 

りょうが「だから泰一んち!」

 

なんでやねんwなんで最後にとりあえず誘っとくかみたいな感じで誘ったやつの家でやるんだよw1番重要な人物じゃねーか。どういう思考回路してるんだ。頭のネジ300本くらい外れてるんじゃねーの?

 

池田「安心しろ。泰一のかーちゃんに話は通してある」

 

なんでだよ。話通したって何?

 

池田「今日お好み焼きやりに行ってもいいですか?」

 

泰一母「いいわよ」

 

こんな感じ?いや意味わかんないから。普通それ聞くの泰一だから。友達と家でお好み焼きやるって母親に言うのは泰一だから。ましてや泰一不参加だとしたらどうするの?泰一いないのに泰一の家でお好み焼きやるってことでしょ?それを池田お前は自信満々に、何言ってんの?頭のネジ500本くらい外れてるんじゃねーの?

 

耕平「なぁ、泰一来れなかったらどうするの?」

 

俺の率直な疑問にりょうがが笑いながら答える。

 

りょうが「あいつんちでやるのにww来れないとかおかしいだろww」

 

いやお前の考えのがよっぽどおかしいわ。頭のネジ1000本くらい外れてるんじゃねーの?もしかしてイチローがヒット打つたびに頭のネジ外してる?

これはなんとしてでも泰一に来てもらわなければならない。泰一の母親に、泰一にはこんなにも素敵な友達がいるんだよ。そう思ってもらいたい。

 

日頃から夜通し食い散らかしたものを、俺らが寝ている間に片付けてくれる。部屋でゲームしている時はジュースを持ってきてくれる。こんな俺たちを笑顔でもてなしてくれる泰一の母親。

何か恩返しがしたい。俺はいつもそう思っている。恩返し、泰一の母親の息子、つまり泰一と仲良くする。それが1番の恩返しになるのではないだろうか。もちろんそんなことを思わなくても泰一とは仲良くしたい。そう思っている。高校生の俺の思考では、泰一の母親の前で、泰一と仲良くすることが、俺らのできる恩返しの形ではないのか。それが1番ではないのか。そう思っていた。

 

俺は立ち上がり、泰一の席へ向かう。泰一が来ないと言うものなら、ただの迷惑なクソガキだ。息子の友達が家に上がってきて息子抜きで遊ぶなんてとんでもない。

 

友一が元気良く起こすのに対し、泰一はちょうど顔を上げたようだ。絶対に参加したくなるよな、参加しなければならないような言い回しを考える。何度も言うが、泰一が参加しないのならば俺たちはただの迷惑なクソガキだ。それだけは避けなければならない。あいつらのことだ、泰一不参加でも、会場は泰一の家のままだろう。いや泰一の両親の家だ。

それを避けるべく、俺は正義を貫く。そして泰一の肩を掴み、言う。

 

耕平「今日お前んちでお好み焼きやるから来いよ!」

 

何も知らない泰一は眠そうに目を擦りながら、俺の顔を不思議そうに見つめて言う。

 

泰一「いきなりどうしたのこーちゃん。頭のネジ5000本くらい外れてるんじゃないの?」

 

日米通算で1番頭のネジ外れてるのは俺だったようだ。