僕らの現実非日常?

誰かこのロマンティックを止めてくれ

どんななものだって、色を変える

俺がまだガキの頃、それは行われた。確かアメリカだったかな、その辺に住んでいた子どもたちが日本に来日し、ハロウィンパーティーが開かれた。その子どもたちと交流するのが、当時英会話を習っていた俺を含む子どもたち。当たり前だが、向こうは日本語知ってる人なんていない。対するこっちは日本語でさえまだまだ未熟な子ども。それでも、日本人の心を持ってか、おもてなしの心を持ってか、必死に英語で話す。緊張しながらも話す。正直、何を言っているのかわからないことも多かった。しかし国は違えど同じ子ども。言葉が半分ほどしか通じなくても自然と仲良くなり、楽しく過ごせた。

そしてお決まりのセリフ。トリックオアトリート。俺たちはアメリカの子どもたちの親へ、アメリカの子どもたちは俺たちの親へ言った。わざわざと言うと大げさかもしれないが、向こうの国のお菓子をたくさんくれた。俺にとって貴重な経験だったし、何より楽しかった良い思い出だ。

 

これが俺の知っているハロウィンの話。俺が唯一経験したハロウィンの話。残念ながらコスプレをして街を徘徊するハロウィンは経験したことがない。まぁ人の感性はそれぞれだけど、俺はあんまり興味ないかな。じゃあハロウィンの10月31日、俺は何をしてたのかって言うと、それはもう普段と変わらない日常。俺にとっての日常。みんなで中華を食べに行った。

 

友一「ここの中華、量めちゃくちゃ多いから覚悟しておいてね」

 

メニューを見るりょうがに友一が気をつけるように言う。友一の言う通り、この店はとてつもない量で出てくる。しかしそれなのに値段は安く、味も美味しい、見事な料理屋だ。俺と泰一、友一は来たことがあるがりょうがは初めての来店である。

定食メニューを見ながらりょうががつぶやく。

 

りょうが「ラーメンと半チャーハンセットが良いんだけど、見当たらない」

 

耕平「ラーメンとチャーハンセットならあるよ」

 

りょうが「あるいは半ラーメンとチャーハンセットでも良い」

 

泰一「それはないけどラーメンとチャーハンセットならあるよ」

 

友一「ちなみに拳ほどの大きさの唐揚げ4個もセットだよ!あっ!コブシデ!」

 

りょうが「・・・」

 

隣で席に置いてある唐揚げを見て息を呑む。

 

りょうが「おいおいファミチキじゃねーか・・・いやそれより大きい」

 

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友一「だから多いし大きいんだって!ちなみにこの定食は俺でも食べれない量だよ!」

 

俺でも、と言うが友一は大して大食いではない。しかし逆にりょうがは少食だ。つまり、友一でも食べれないと言えば、りょうがは食べれないということがわかる。はずだ。各々、メニューを決めたようで店員を呼ぶ。ちなみにだが、料理を作る人もホールの人も向こうの人だ。不慣れな日本語で俺たちの席へやってくる。

 

店員「ハイ~」

 

耕平「ラーメンとチャーハンセットで。ラーメンは塩ラーメンでお願いします」

 

りょうが友一「えぇ!?」

 

耕平「え?」

 

友一「ねえ聞いてた!?俺の話聞いてた!?」

 

耕平「悪いけど俺は普通に食えるから」

 

1つ前の記事でも書いたけど、俺はこの中ではよく食べる方だ。もちろん、俺は何度もこの定食を食べたことはある。この2,3週間前にも同じものを食べている。しかし、食べ切れるが大食いの俺でも結構ハードな量である。果たして誰用のセットなのか、そう疑問に思うほどのボリュームだ。

 

りょうが「同じのください」

 

友一「えぇ!?」

 

耕平「無理するなって。ほんとに多いよ」

 

りょうが「っけ、なめんな!」

 

どうやら俺に対抗したいらしく、同じものを注文する。呆れた表情で友一を見ると、友一も同様に呆れた表情をしている。まったく、友一にこの表情をさせることができるのはりょうがくらいだぞ。そしてその表情のまま、呆れた表情のまま、友一が言う。

 

友一「同じのください」

 

耕平「なんでだよ!振りじゃねーよ好きなの頼めよ」

 

友一「りょうがが人の道を踏み外すって言うのなら・・・俺だって!」

 

耕平「おい俺が人じゃないみたいな言い方止めろ」

 

店員の視線が泰一に移る。大げさに音を立て、メニューを閉じる泰一。この中で1番少食の泰一。すき家で例えるなら、俺がメガを頼み、友一が特盛りを頼み、りょうがが大盛りを頼み、それを横目に並盛りを頼む泰一。その泰一がメニューを注文する。誰もが分かりきった展開、誰もが憐れむ目で泰一を見る。

 

俺は、思うんだ。別に好きなもの頼めば良いって。多分俺だけじゃない。みんな思っている。好きな食べ物とか、食べる量なんて人それぞれ。自分が好きなものを頼んでみんなで楽しく食事をする。それで良いって俺は思う。いや、それが良いんだ。

 

でも、これが俺の知っている俺たちの現実。俺が普段経験しているいつもの日常。そしてこの流れは、食事を楽しむことを捨て、友と共に険しい道を選ぶ流れ。そうして得た時間こそが、色を変えて良い思い出になる。

 

泰一「ワンタンメンください」

 

友一りょうが「おったまげぇぇぇ~!!」

 

 

 

 

そういや俺ハロウィンパーティー殴り合いの喧嘩したんだった。