僕らの現実非日常?

誰かこのロマンティックを止めてくれ

秋の風、あっ秋ですね

自分がわからないこと、不思議に思うこと、違和感を感じること、そう言うものがわかった時、スッと体を突き抜けるような風が吹く感覚になる。それが自分の知恵とか思考とか、自分に備わってるものだけでわかった時はより強力、寒くなるくらいの冷たい風が体を突き抜ける。

これはあくまでも例え。簡単に言っちゃえばスッキリするって話。

 

最近、池田がよく絵を描いている。素直に器用だなって思っている。俺は自分で言うのもなんだけど、めちゃくちゃ絵が下手。どれくらい下手かって言うと、もう逆に特技。バカと天才は紙一重ってよく言うけど、ピカソと俺も紙一重なのかなって思うくらい。これ、ピカソに失礼だよね。たぶんピカソ好きな人からしたら全然違うんだろうけど、まったくもって絵に関心のない俺からすれば同じような絵を描くと言うのがしっくりくる表現だ。

で、ある日に池田がまた絵を描いて、りょうがと友一も描くって言い出した。それじゃあ俺もってことになり、気合いを入れるためにコンビニに飲み物を買いに行った。適当にスキニー出して、パーカー羽織ってコンビニに向かう。
向かったコンビニは住宅街にあるところ。たまたま俺が行った時は中に客はほとんどいなかった。レッドブルとモンスターどっち買おうか迷い、モンスターを持ってレジへ向かう。店員は高校生くらいの女の子と俺と同い年くらいの女の子だったんだけど、ちょっと笑いながらなんかコソコソ話してる。あ、俺もしかして顔になんかついてるのかな、なんて思っていると、俺の視界にやつが入った。

見た感じ、身長は160cmくらいで、体重は100kgを超えているであろう女性。それだけならただのふくよかな女性で済む(済まない)。その女性が着ぐるみパジャマを着ているのだ。それもこれでもかってくらいに気に入っているのか、だいぶ年季が入ったパジャマだ。


あれ、ハロウィン?ヒグマのコスプレ?いや違う。牛?
そして牛のコスプレをしているのであろう女性と一緒に買い物をする彼氏らしき人。彼は特別違和感はない。普通の男性だ。

いや、普通なわけがない。奇行に走った彼女の隣に違和感なくいる。それこそおかしな話だ。一瞬、目が合いそうになる。すぐに視線を彼らの足元に移し、あたかも見てませんよオーラを出す。そこで気づく。彼氏のサンダルが左右違う。


えっと、、なんのコスプレ?左右違うサンダルを履く人がすぐに出てこず、仕方なく適当に結論づける。

きっと新しいポケモンだ。そうだ、最近ポケモンとは無縁の生活をしている。俺の知らない間に、左右違うサンダルを履くポケモンが新キャラとして登場していてもおかしな話ではない。

さすがに、目のやり場に困る。下を見れば新しいポケモン、上を見れば牛。自然と自分の手に持つ商品に目がいく。


モンスター

 

見てはいけない物を見てしまった気がした。


思考が目まぐるしく回る。店員が笑っている理由がわかってしまった。俺の想像力が、創造力が活性化される。店員が笑っている理由は、モンスターを目の前にしているのにも関わらず、モンスターを買おうとする俺。すなわち、このコンビニの中で今1番モンスターに近い男は俺と言うことだ。

自動ドアが開き、新しく客が入る。秋の風が店内に入ってくる。寒いと感じてしまうほどの風だ。
何食わぬ顔でレジに行き会計を頼む。俺だけに聞こえる声で店員が話しかけてきた。

 

店員「チャック開いてますよ・・・!」

 

再び自動ドアが開き、そして再び、風を感じる。

―冷たい風

なるほど。笑顔でごまかし、外に出る。笑っていた理由は違っていたが、コンビニ内で1番モンスターだったのは俺と言うことに違いはなかった。

 

俺は恥ずかしさを代償に創造力を手に入れた。芸術と創造力は親戚みたいなものだ(わからないけど)。絵は下手だが、やつらを納得させる絵が描ける。そんな気がし、ペンを片手に机に向かうのであった。