僕らの現実非日常?

誰かこのロマンティックを止めてくれ

成長の証


できなかったことができるようになった時。その達成感は何よりも高い。それがどんなにくだらないことであっても、嬉しいものだ。もし、1人でできない時は仲間を頼ろう。そのための仲間だ。


りょうがとスマホのアプリでマルチプレイをしているところ、友一が手伝って欲しいクエストがあると乱入してくる。LINEの通話機能を活用し、そのクエストに挑むことにした。


耕平「このクエストができるってことはもう1つのクエストは終わったってこと?」


まず、友一に手伝いを頼まれたクエストを挑戦する前に、もう1つ難しいクエストをクリアしなければ挑戦できない仕様になっている。


友一「そっちはなんとかクリアしたよ!」


俺とりょうがは長いことやっているために、さほど苦労したクエストではないが、友一のような初心者卒業したてのプレイヤーにとっては難しいクエストだ。


耕平「おお、やるじゃん」


友一「まぁね!」


難しいクエストは挑戦する前に助けを求める友一であったが、自分一人でクリアをした。これは人間としても、成長した証である。
そんな友一を冗談混じりに褒める。


耕平「お前も足を上げたな」


ツッコミが下手くそな友一には優しいボケだ。そこは腕だろ!なんて返しで十分だ。あるいは少し付け足し、力士かよ!そこは腕だろ!なんて返しが来た時には、さらなる成長を感じざるを得ない。


友一「違うでしょ!顔を上げたんだよ!」


耕平「知らぬ間に落ち込んでたのかよ」


呆れて続けて言葉を出せない俺に代わり、りょうがが言う。


りょうが「そこは腰だろ!」


耕平「なんで立つんだよ」


俺が最初にボケたはずなのにいつのまにかいつも通りの担当に戻っている。しかし彼らがボケているのか、本気で言っているのかは俺にはわからない。
そもそもなんだよ、お前も顔を上げたな、なんて言わないだろ。どのタイミングで出てくる言葉だよ。猫背が治ったな、的な?ならそのまま猫背が治ったなって言うわ。

さらに、腰を上げたな、ってなに。逆に使ったことある?それはいつ?いつ使ったの?使う場面があったら教えてくれよ。


耕平「いやさ、腕、でしょ?腕を上げたな、でしょ?」


友一「じゃあそう言ってよ!なによ足を上げたって!」


恥ずかしいから俺のボケを復唱しないで!俺がおかしいみたいになってるじゃん。

そんなことを話しつつも、ボス戦までたどり着く。途中危ない場面もあったが、頭の中の言葉の数が少ないりょうがの華麗なるテクニックでなんとか乗り切る。なんとも言えないギャップ。


友一「このボス・・・強そう」


簡単に友一に攻略を説明する。


耕平「今座ってて動かないけど、一定ダメージ与えると動き始めるから気をつけて」


ボス目線からすれば、先に攻撃させてやろう。と言うことだ。


りょうが「いいか、ちょっと攻撃して、動き出すギリギリに俺が大技出して一気にダメージ与えるからな!」


これは一般的な攻略法で、HPが1000あるとして、300削ったら動き出す。そして動いている間に700削って倒す。と言うわけではなく、200を削った後に大技を出して300削る。そして動いている間に500削ると言ったような作戦である。

簡単に言うと、動いている間に与えるダメージが少なくて済むような作戦。である。とは言っても、そのギリギリを狙って成功できるものでもなく、程よい場面で大技を使うのが一般的だ。


友一「わかった!任せて!」


誰もお前になにも任せてない。手伝ってもらってる立場をわきまえた発言をしろ。


耕平「行くぞ」


まずは通常攻撃でダメージを与える。はずだった。


友一「えくすぷろーーじょん!!!」


耕平「おい!めぐみんか!じゃなくて話聞いてたのか!?なんでスキル発動する!?」


りょうが「いや、友一の攻撃力の低さなら良い塩梅かもしれない!」


攻撃が終わり、様子を伺う。座ったままなのか、動き出すのか、結果的にはギリギリを攻めたことになる。これで動かなければ友一のセンスにはあっぱれだ。


一瞬、間が空いた。

 

 

ボスが立ち上がり、動き出してしまった。

 

無意識に言葉が出てくる。

 

 


耕平「お前・・・腰を上げたな」