僕らの現実非日常?

誰かこのロマンティックを止めてくれ

100円カレー

 

雨の中車を走らせる泰一。腹が減ったということで適当に店を探す。友一とりょうがも腹が減ったのか大人しく、快適な車内であった。信号で止まり、窓から外を眺めていると、”本日カレー100円”と、大きく張り紙のしてある定食屋を発見する。その定食屋にとって、特別な日なのだろうか。とにかく安いに越したことはないと、意見が一致しそこへ行くことした。

 

昼過ぎの中途半端な時間であったが、店内はそれなりに賑わっていた。そしてほぼ全員がカレーを食べている。食堂のおばちゃんが忙しなく動き、俺たちを席へ案内する。

 

りょうが「みんな食べてるあのカレーが100円なんですか?」

 

おばちゃん「そうよ」

 

りょうが「そりゃすげえわ」

 

と、言うのも普通のカレー。普通の器に、普通の量。味は知らないが、これで100円は誰がどう見ても安いと感じるに違いない。カレー好きで有名の友一もテンション上がっているし、泰一やりょうがも驚いている。メニューを眺める泰一がボソリとつぶやく。

 

泰一「種類も豊富だぞ」

 

横から覗くと、カレーを始めとし、チャーハンやラーメン、野菜炒めなどカレー以外にもたくさんのメニューが書かれている。まぁ、メニューが豊富って言うのが定食屋の醍醐味でもあるのだが。

 

もうみんなメニューが決まっていると判断したのか、りょうががおばちゃんを呼ぶ。このブログを読み慣れている人ならこの後の展開は大体予想がつくだろう。

 

りょうが「味噌ラーメン!」

 

そう、全てを覆す注文である。

 

耕平「俺は塩ラーメンとチャーハンで」

 

全てを覆す注文たちである。

 

友一「カレー食べないの!?」

 

耕平「なんか、ラーメンって気分だった」

 

りょうが「同じく」

 

耕平「ラーメンの相方はカレーよりチャーハンだろ?」

 

りょうが「だな」

 

泰一「俺はカツカレーでお願いします」

 

おばちゃん「それは普通に書いてある値段だけどいいの?」

 

泰一「はい」

 

カツカレーは600円。それでも安いと感じる値段である。ちなみにカレーは普段は400円らしい。それでも、十分、安い・・・。おばちゃんの視線が友一に移るがメニューを見て悩んでいるようだ。

 

耕平「え、お前はカレーでしょ?」

 

友一「ちょっと待って!悩んでるの!」

 

耕平「まじかよ」

 

予想外の展開に、りょうがも驚いている。なぜなら、友一はカレーが好き。どれくらい好きかというと、100円寿司を食べに行った際にもカレーを注文するほどである。この前も、朝ごはんにカレーを食べていると言っていた。好きな食べ物ランキング1位は甘口カレー、2位は中辛カレーと言う友一が悩んでいるのだ。甘口1位かよ。

 

てっきり決まっているのかと思いおばちゃんを呼んだりょうがが軽く謝るが、おばちゃんは良いのよと笑顔で友一を待つ。真剣な表情で悩む友一。気持ちはわかる。俺も、食事は真剣だから。でも、あのカレー好きの友一が、100円という激安のカレーがあるにも関わらず悩んでいる。これには正直驚く。

 

耕平「何を悩んでるのか知らないけど、食べたい物全部頼めよ。食えなかったら俺が食ってやる」

 

泰一「そうだな。お金の心配ならしなくてもいいぞ」

 

りょうが「誰もカレーを頼まないのはもったいない。せっかくだから頼めよ」

 

友一「みんな・・・」

 

泰一以外、特別優しいことを言っているよようには思えないが感動する友一。それを微笑ましそうに見ているおばちゃん。

 

おばちゃん「仲が良いのね」

 

友一「はい!よしじゃあ両方頼むよ」

 

果たしてカレーと悩んでいたメニューは何なのだろうか。りょうがが小さい声で飲み物だったりしてな、と冗談を言った後に友一がメニューを注文する。

 

 

 

友一「カレーとカツカレーで!」

 

耕平「いやそれカツカレーやん」