僕らの現実非日常?

誰かこのロマンティックを止めてくれ

俺らのW杯優勝国予想

フラッと寄ったコンビニで、朝刊を目にする。W杯と書かれている。そう言えばもうそんな時期か。コーヒーとスポーツ新聞を購入する25歳。

 

W杯、4年に1度の祭りだ。俺がサッカーを始めたきっかけでもある。予選グループの組み合わせどころか、どの国が出るとか、イタリアが予選敗退とか、全然知らないことばかり書いてある。

 

俺が中学生の頃、ドイツでW杯が行われていた。確か初戦のオーストラリアに完敗、中田英寿が引退を表明した時。その頃通っていたクラブチームで、優勝国と得点王を当てたら景品が出ると、小さなイベントをコーチがやってくれた。

ガキなりに分析した上で優勝国を開催国のドイツ、そして得点王をドイツのエースのクローゼと予想し、得点王だけ当てた覚えがある。我ながら大人気ない選択、可愛らしくない選択だと思う。

 

最近のサッカー事情は詳しくはわからないが、新聞にクリロナとかメッシとか、ネイマールとか、やはりその辺の選手の名前は出ていた。

 

耕平「もうそろそろW杯だな」

 

新聞で入れた情報を元に、彼らにLINEを送る。もちろん、新聞に書いてあることしかわからない。

 

池田「だな。最近のはあまりわからないが」

 

やはり俺だけじゃない。日韓あたり、ジーコジャパンあたりが俺らの中では1番熱かった。

 

耕平「今回イタリア出ないらしいぞ」

 

池田「まじか!」

 

友一「イタリアって確か強くなかったっけ!?」

 

耕平「たぶん。強いと思う」

 

恐らく俺がこの中では一番まともにW杯を知っている。新聞に書いてあることしか知らないが、彼らが新聞なんて読むはずがない。

 

耕平「優勝国、予想しようぜ!」

 

気持ちは中学生の時に戻る。あの頃は、チームメイトと各国の戦術やプレースタイル、またスター選手の活躍を予想し話が弾んだ。ゲーム感覚で、頭でサッカーを学べたと思う。

 

今回は別にそこまでする必要はない。4年に1度の祭りを純粋に楽しめれば良い。

 

池田「やはり、ブラジルだろ」

 

無難な国を挙げる。池田らしい選択だ。

 

池田「まずはFWのロナウド、そしてゲームメイクをするロナウジーニョ。彼らは世界でもトップクラスの選手だ」

 

耕平「いつの話してるんだよ」

 

池田「そしてキーパー。世界一と言われているオリバーカーン

 

耕平「カーンはドイツだろ。何ワールドチーム作ろうとしてんだよウイイレかよ」

 

本当に最近のサッカーは知らないようだ。しかし池田の言った選手は俺も好きな選手たちであり、やはりそこは同じ世代。と言うか同級生だが。

 

池田「お前は?」

 

耕平「アルゼンチンだな」

 

池田「メッシしかおらんやん」

 

耕平「言い返したいけど、俺もメッシしか知らんわ」

 

ごめんなアルゼンチンのみんな。他にもすごい選手はたくさんいるだろうが、知らないんだ・・・。なにより、あのユニフォームが可愛くてな。頑張ってくれよなメッシと他のみんな!

 

池田「ついでに、友一は?」

 

サッカーに関してほぼ無知である友一だが、どう予想するのだろうか。

 

友一「W杯はね、何が起こるかわからない。そう言われている」

 

耕平「確かに、そうだな」

 

友一「ブラジルもアルゼンチンも強いってのは俺だってわかるよ!でもね、番狂わせがあるかもしれない!」

 

らしくもないことを言う。漫画だったら主人公が選びそうな言い回しだ。

 

友一「だから俺はね、純粋に勝ってほしい国を選んだ!奇跡を信じて!」

 

池田「なるほど。それで、どこだと思うんだ?」

 

番狂わせにふさわしい国。勝ってほしい国、まさか日本なんて言うんじゃないよな。そう思いつつも、自分の国を応援することはすごく良いことだとも思う。友一らしいまっすぐな、純粋な気持ちで選んだんだろう。勝つ国を予想するのではなく、勝ってほしい国を応援する。なるほどな。

 

画面越しに呆れつつも、変わらぬまっすぐな思いに安心をする。そして通知音とともに、友一から優勝国の予想が送られてくる。

 

 

友一「インド!!!」

 

 

出ねえよ。