僕らの現実非日常?

誰かこのロマンティックを止めてくれ

1位になればいいってわけじゃない

大学生の頃、よくボーリングをやった。一緒にやってたメンバーのうちの1人、りょうがはすごい上手くて、いつか絶対勝ちたいなんて思ってた時もあった。結局、ある程度上達はしたけどスタートが地だったこともあって仕上がりは平々凡々、200なんていったことないと思う。最近は全くやってなかったけど、久しぶりにやりに行った。その時の話。

メンバーはいつもの人たち。若くもないのに5ゲームプランで3人ずつ2レーンでいざスタート。

 

1ゲーム目のスコアを参照してチームを決め、ジュースをかけて勝負をすることになった。俺のチームは翔平とりょうが。りょうがも久しぶりだったようで、先週もボーリングをやったと言うジョンに負けて2位という結果。翔平はボールを高く上げて投げる、通称”ボンバーマン”と言われる投げ方をする選手だ(ヘタクソ)。

相手チームは1位のジョン。安定した綺麗なフォームで投げる選手である。喜びを表現するのが苦手だ。4位の池田は一時期すごく上手かったらしいが、その時のことを誰も覚えていないという幻の選手。そして6位の泰一は、唯一成長が見られないデンジャラスな選手である。チームのメンバーを見て、勝利を確信する。負ける要素が何1つない。アベレージで言うと、実はジョンよりも俺とりょうがのが高い。1ゲーム目で肩を慣らした2人がいれば間違いなく勝てる。そして泰一もいない。ジョンも勝てる気がない様子。

当たり前のように俺たちの勝利で2ゲーム目が終わる。が、全体の平均が高く、6位の泰一と5位の翔平が1ピン差で130前後だった。

 

そしてここからが俺の悲劇が始まる。

 

それ以降はアイスを賭けて勝負。3ゲーム目も2ゲーム目のスコアを参照してチームを分ける。まず、第一の悲劇が、2ゲーム目のスコアのトップが俺だったこと。それすなわち、6位の選手と同じチームになってしまう。そして1位の俺は当たり前のように6位の泰一とチームになる。しかし問題はあと1人である。ジョンかりょうがと同じチームになれればいい勝負ができる。が、願い叶わず来たのは池田である。

 

耕平「おいおい、大丈夫か」

 

池田「そりゃこっちのセリフだ」

 

もうね、完全に頼りきってる。そんでもって俺じゃ頼りにならないって顔してる。泰一は泰一で、ボーリング場にあるボールの中で1番軽いやつ持ってきてる。指入らないでしょ。ふと隣見ると、1投目から翔平がストライク取ってる。いきなり大ピンチじゃん。

だが、これはこれで燃える状況。もしかしたら神様が俺に見せ場を作ってくれたのかもしれない。ここで勝てれば絶対モテると思って周りを見た。じいさんばあさんしかいなかった。

集中し直し、1投目を投げる。見事ストライク。だが相手チームも続いてストライクやスペアで終えている。

 

りょうが「最高のスタートだぜ!」

 

翔平「やったね!」

 

いきなりプレッシャーをかけられる展開。俺は池田と泰一に言う。

 

耕平「大丈夫、お前らは強い。だから、自由に舞え」

 

池田「は?」

 

泰一「どういうこと?」

 

うまく連携が取れないようだ。そして当たり前のようにスペアを逃す2人。もう俺は泰一のことを6位って呼んでやろうかと思ったよ。しかも思い出したよ。こいつら2人、2ゲーム目で負けたチームの2人じゃん。これほぼ勝ち目ないじゃん。つってね。でも2ゲーム目ではそれなりに調子が良かったし、ワンチャンあるんじゃねーかって。それにやっぱりその状況に置かれたら思うわけよ。これは神様が俺に見せ場を作ってくれたんじゃないかってね。ここで勝てば絶対モテるじゃん。んで再び周り見たんだけどやっぱりじいさんばあさんしかいなかった。

 

終盤に差し掛かるにつれて、露骨に調子が上がってるボンバーマン。下手したらジョンにも勝てるんじゃないかってペースで点を稼いでる。でも逆にりょうががどうも調子悪い。理由は簡単で、得点の液晶見たらスピリット出しまくってた。りょうがは大体160~200出すんだけど、この時は120いくかいかないかのペースだった。これってチャンスじゃね?って思って俺らの液晶見た。池田が結構頑張ってた。これマジでいけるやつじゃね?泰一は調子が戻ったみたいで(悪い意味で)100いきそうにないけど。

最終ゲーム、先に終わった相手チームのスコアを確認しつつ投げ終える。りょうがが終盤に追い上げていたが、俺は180と好調。続いて池田も130と割と頑張った。泰一が投げる前に計算をする。

 

池田「14ピン差だ!」

 

耕平「マジか!」

 

この状況、1回でもストライクかスペアを取れればほぼ勝てる。しかしその運命を握っているのは6位泰一。ここぞとばかりに勝負弱い上に、そもそもボーリングが上手くない泰一。そんな泰一がすごい集中してる。その姿を黙って見守る一同。

 

 

ダメだった。

 

 

全然ダメだった。

 

 

集中したけど、そもそもどうすればストライクスペア取れるかわからなかったんだって。そうだよね。惜しくも14ピン差で負けてしまう。いや2回連続ガターってなかなかだよね。逆にすごいよね。

 

気を取り直して4ゲーム目。1位の俺は再び6位泰一と同じチーム。そんで4位は誰かって言うと、ボンバーマン翔平。調子が良かったみたいで池田よりもスコアが高かった。ボンバーマン、さっき調子よかったけど実は1ゲーム目のスコア69だったんだよね。少年かよ。小学生のスコアだぞ。ど素人だったらわかるけど、結構やってる人だから。追い打ちをかけるかのように、りょうががかなり調子上がってきてる。もうサッカーで言うとAチームとBチームの紅白戦みたいな状況。期待なんてしてなかったけど、やっぱり2人とも100いかず。

ボンバーマンの液晶にFって字がいっぱいついてた。1投目Gで2投目Fってなってるところもある。グレープフルーツかと思っちゃったけどガターとファールだった。

 

珍しく調子が良くてほとんど1位だったんだけど、結局2ゲーム目しか勝てなかった。

勝負に勝って試合に負けるってこれのことか、って思ったけどよく考えたら勝負にも勝ってなかったよ。何て言えばいいのかな。