僕らの現実非日常?

誰かこのロマンティックを止めてくれ

愛のカタチ

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

2019年の始まり。新年早々、そう新年早々に、恐らくこれを超える衝撃はないという出来事があった。

2019年、懐かしい友人に出会った。彼とは中学時代にサッカーのクラブチームが一緒だった。身長が低かった俺よりもずっと低く、すぐに怪我をするような奴だった。当時やんちゃだった俺に付いて歩き、同い年だったが弟的な存在だった。ポジションも近く、危なくなったらとりあえず俺にパスを出せと、かっこよく指示を出していた。その割には序盤で疲れて、パスを受け取りに行ってなかったのだがそれは置いておく。

彼は俺を見るなり、こーちゃんと呼ぶ。俺のことをこーちゃんと呼ぶのは、昔からの友人しかいなく、泰一以外はほぼ絶滅している(会ってないだけ)。相変わらず小柄な彼と、一応平均くらいの身長になった俺は懐かしさに耽る。話を聞くと、彼はバーテンダーをやっていて、勤めているお店が海外に出店していると話し出す。彼はそこで働いていて、正月ということで、日本に帰省していると話を続けた。彼というのはわかりにくいので、当時、俺が呼んでいたあだ名である”蚊”と書かせていただく。蚊は少年のように微笑み、俺との再会を心から喜んでいるように伺えた。俺ももちろん蚊との再会は嬉しく、胸が熱くなった。というのも、中学時代は内気で人見知りで、俺のそばから離れようとしなかった蚊が、今となっては海外で活躍しているという。こんなにも嬉しいことがあるのだろうか。俺は本当に心の底から嬉しく思い、蚊の頭をポンポンと叩いた。優しく、潰れないように、蚊が雌だったらきっと俺に惚れて血を抜きにかかってきただろう。中学時代と変わらないやりとりをしていると、蚊は紹介したい人がいると、その人を呼んだ。俺はその人を見て、ぎこちない笑顔で挨拶をした。

 

耕平「あ、えっとシェイシェイ!」

 

蚊は言う。

 

蚊「俺の彼女だよ!」

 

驚いた。どうやら海外へ出店し、その先で出会った人と恋に落ちたようだ。俺は言語を迷い、様々な言語で語り掛け、挨拶をする作戦に出た。

 

耕平「シェイシェイ!ビューティフルな笑顔だね!」

 

ルー大柴かよ。とりあえず、何か伝わればいいと思った。でもどう見ても、彼女は中国の人ではなかった。ていうかまず中国人と日本人区別付かないだろ。バリバリの外人だったわ。

 

蚊「カンボジア人だよ!」

 

まじかよ。何語で挨拶すればいいんだよ。とりあえず、ヘタクソな笑顔で手を振る。1mくらいしか離れてなかったけど。

正直、かなり驚いた。友人から、彼女を紹介すると言われたことは何回かある。だが、海外の女性を紹介されてことは今までになかった。それもカンボジア人。

 

 

難しすぎる。

 

蚊も驚くことを予想していたかのように、苦笑いをする。

 

蚊「そうだよね。驚くよね」

 

蚊は無邪気に笑う。その笑顔は恥ずかしさとか、彼女と付き合っているということに後悔はしていないという笑顔だった。驚いたのは事実である。国境を越え、海を越え、そして出会い、愛を誓う。人種とか国籍なんてものは関係ない。

俺は心の底から恥ずかしいと思った。驚いてしまった自分に腹が立って仕方なかった。何が出てこようが、俺の友人、いや親友が大切にするものは俺にとっても大切なものではないか。それなのになんだこのざまは。蚊には無様な姿を見せてしまった、そう思った。いくらでも血を持っていけ、そう思った。

 

気を取り直す。そう、俺の親友が愛する人は俺も大切にしなければいけない。言葉が通じないであろう異性と愛し合えるなんて素敵なことではないか。残念ながら俺には愛する人がいないし、今まで心の底から好きになった人も正直いない。だから”愛”の意味がよくわからないでいた。そんな幼稚な俺に教えてくれた。言葉が通じなくても、愛は生まれると。細かいことは省いても、それだけは確かなのだと。

 

俺は勝手に思っていた。俺が蚊を親友と同時に、弟分だと思っていたが故、蚊は俺のことを兄貴分だと思っていたのだろう、と。それは俺の勘違いかもしれない。だとしても、弟が彼女を紹介してきたのに、かっこ悪いところは見せれない。俺は幼少期から少し嗜んだ英会話を駆使し、コミュニケーションを図る。

 

耕平「Hello.My name is Kohei」

 

シンプルな自己紹介。彼女はどう来るか。

 

女「日本語しゃべれるよ」

 

流暢な日本語で俺に返してくる。

 

女「英語よりは日本語のが得意かな。ははは」

 

蚊「俺はカンボジアで使う国の言葉わからないけどね!ははは!」

 

そうかよ。言葉通じんのかよ。ていうか蚊、お前カンボジアに出店したんだったらカンボジアの母国語勉強しろよ。なんでそこ妥協してんだよ。男だろ。 男だろっつーか商売してんだろ。ったく・・・。

 

でもまぁ、お幸せにな。

 

2019年、俺は別にいい。少なくても、俺が親しくしてる友人が幸せになってくれる年になると願っているよ。上辺だけどね。